「家を建てたいけど、まず土地からどう探せばいいのか分からない」
「不動産サイトを見ていても、この土地が良い土地なのか判断できない」
こんにちは、茨城県取手市の東匠ハウジングです。
家づくりのご相談で、資金計画と並んで多いのが土地のお話です。建物は間取り図やモデルハウスで比べられますが、土地はそうもいきません。同じ広さ・同じ値段の2つの土地でも、実際に家を建てると総額が数百万円変わることもある——これが土地選びの怖いところであり、面白いところでもあります。
今回は、東匠ハウジングがメインエリアとしている取手市・守谷市・つくばみらい市の住みやすさと、土地探しで必ず見ていただきたいチェックポイントを、実務の目線で正直にお話しします。土地探しを始める前にこの記事を読んでおくと、不動産サイトの見え方がガラッと変わるはずです。
そもそも、なぜ茨城県南なのか

茨城県南エリア、とくにつくばエクスプレス(TX)と常磐線が通るこの一帯は、ここ数年でぐっと注目度が上がりました。理由はシンプルで、「都心に通える距離なのに、土地にかかる負担が現実的」だからです。
都内で家を建てようとすると、予算の大半が土地代に消えてしまい、建物の性能まで手が回らないというケースが少なくありません。その点、県南エリアなら土地代を抑えたぶんを断熱・気密といった住まいの中身に回せます。東匠ハウジングが「土地はエリアで賢く選び、建物は性能で選ぶ」ことをおすすめしているのは、この構造があるからです。
3つのエリアの性格の違い
同じ県南でも、3市はそれぞれ性格が違います。ざっくり整理するとこんなイメージです。
| エリア | 交通の特徴 | 街の雰囲気 | こんな方に向いています |
|---|---|---|---|
| 取手市 | JR常磐線(取手駅始発)・関東鉄道常総線。上野東京ラインで都心直通 | 商業施設と落ち着いた住宅地が共存。生活インフラが成熟 | 土地代を抑えたい方、実家が近い方、平屋でゆったり建てたい方 |
| 守谷市 | TX守谷駅(始発あり)・関東鉄道常総線。秋葉原まで最速30分台 | 区画整理された新しい街並み。子育て世帯の流入が多い | 都心通勤の利便性を最優先したい方 |
| つくばみらい市 | TXみらい平駅・関東鉄道常総線 | 新興住宅地と自然が近い。大型商業施設も充実 | 利便性と価格のバランスを取りたい子育て世帯 |
守谷市は都心アクセスの良さが群を抜いていますが、そのぶん土地価格も県内トップクラス。取手市は生活インフラが整っているわりに土地が手に入りやすく、つくばみらい市はその中間——というのが、現場で土地を見てきた実感です。
2026年、県南の土地はいくら?
土地探しを始める前に、相場観だけは持っておきましょう。2026年の公示地価(国が毎年発表する土地の公的な価格指標)をもとにした、住宅地の平均的な水準は次の通りです。
| 市 | 住宅地の平均坪単価の目安 | 前年からの変動 |
|---|---|---|
| 取手市 | 約16万円/坪 | ほぼ横ばい〜微増 |
| 守谷市 | 約45万円/坪 | 大幅上昇(+10%前後) |
| つくばみらい市 | 約19万円/坪(みらい平駅周辺は約34万円/坪) | 上昇(+5%前後) |
※公示地価は「その地点の標準的な価格」であり、実際の売買価格(実勢価格)はこれより高くなることが一般的です。あくまで比較のためのモノサシとしてご覧ください。
注目していただきたいのは、守谷市が茨城県内で最も地価上昇率の高い市になっていること。TX始発駅という利便性に加え、東京圏の住宅価格高騰と、隣接する千葉県の土地供給不足が、この地域に人と需要を押し出しているためです。
これは裏を返せば、「守谷は待っても安くならない可能性が高い」「取手・つくばみらいは価格の落ち着いたエリアがまだ残っている」ということでもあります。エリアを1つに絞り込まず、隣接市まで視野を広げると選択肢が一気に増えるのは、県南エリアの大きなメリットです。
→関連記事:Week 10|新築の資金計画 — 「いくらかかるの?」に正直にお答えします
土地探しで見るべき7つのチェックポイント
さて、ここからが本題です。不動産サイトには載っていない、でも建てる側から見ると決定的に重要なポイントを7つに整理しました。
① 地盤 — 「安い土地」の理由はここに隠れていることが多い
相場より明らかに安い土地には、たいてい理由があります。その筆頭が地盤です。
かつて田んぼや沼、谷地だった土地は地盤が軟らかく、家を建てる前に地盤改良工事が必要になります。この費用が50万円〜150万円、深い改良が必要なケースではそれ以上かかることも。土地代が100万円安くても、改良費で相殺されてしまっては意味がありません。
判断のヒントは、古い地名と周辺の建物です。「田」「沼」「谷」「江」といった字が地名に入っていたら要注意。また、周囲のブロック塀や電柱が傾いていないか、道路にひび割れや不自然な沈下がないかを見ると、地盤の様子がうかがえます。
② 日当たりと方角 — 高性能住宅ほど「冬の日射」が効く
南向きが良い、というのは誰でも知っています。でももう一歩踏み込んで、「冬の午前中に、リビング予定地に日が入るか」を見てください。
太陽の高さは季節で大きく変わります。夏に見学して「明るい土地だ」と思っても、冬になると南側の建物の影に丸ごと入ってしまう——これは実際によくあります。断熱・気密性能の高い家は、冬に取り込んだ日射の熱を逃がしにくいので、日当たりの良し悪しが暖房費にそのまま効いてきます。せっかくの高性能を活かすためにも、ここは妥協したくないところです。
③ 用途地域 — 数年後の「隣の景色」を決めるルール
土地には「用途地域」という、建てられる建物の種類や大きさを定めたルールが設定されています。
いま目の前が畑や空き地でも、そこが商業系や工業系の用途地域なら、数年後に大きな建物が建って日当たりが失われる可能性があります。逆に「第一種低層住居専用地域」なら、建物の高さが厳しく制限されるため、静かな住環境が長く保たれやすい。「隣の空き地に何が建つか分からない」という不安は、用途地域を確認するだけでかなり減らせます。
④ ハザードマップ — 一次情報を必ず自分で見る
取手市・守谷市・つくばみらい市はいずれも利根川・小貝川・鬼怒川の流域にあります。市が公開しているハザードマップで、洪水・内水・土砂災害の想定を必ず確認してください。各市の公式サイトから無料で閲覧できます。
浸水想定区域だから絶対にダメ、という話ではありません。基礎の高さを上げる、電気設備の位置を工夫するといった対策も取れます。大切なのは「知らずに買わない」こと。知ったうえで対策を選べるかどうかが分かれ目です。
⑤ 道路付け(接道) — 工事費とその後の暮らしを左右する
土地がどんな道路に、どの方向で、どれだけの幅で接しているか。これを「接道」と言います。
前面道路の幅が4m未満だと、建て替え時に敷地を後退させる「セットバック」が必要で、実際に使える敷地が減ります。また、大型車が入れない道だと、工事車両や資材搬入に制約が出て工事費が上がることも。駐車のしやすさや、将来の車の入れ替えにも関わってきます。
⑥ インフラ — 上下水道・ガスの引込状況
上下水道が敷地まで引き込まれているか。引き込みが必要な場合、道路の掘削を伴うと数十万円〜100万円規模の費用が発生します。都市ガスが来ていない地域なら、プロパンガスかオール電化の検討が必要です。
古家付きの土地の場合は、解体費用(木造で坪3〜5万円程度が目安)も予算に入れておきましょう。
⑦ 実際に歩いてみる — 平日と休日、朝と夜
最後は、いちばん地味で、いちばん効くポイントです。
現地を時間帯を変えて2回以上歩いてください。朝の通勤時間帯の交通量、夜の街灯の有無と暗さ、休日の周辺の音。スーパー、小学校、病院までの距離を、車ではなく実際の生活動線で確かめる。図面と写真だけでは絶対に分からないことが、歩くと必ず見えてきます。
| チェック項目 | 確認する方法 | 見落とすとどうなる |
|---|---|---|
| 地盤 | 古い地名・周辺の傾き・地盤調査 | 地盤改良費で数十〜百万円超の追加 |
| 日当たり | 冬の午前中の影を想定して確認 | 暖房費が上がる・暗いリビング |
| 用途地域 | 市の都市計画図で確認 | 数年後に日当たり・眺望が変わる |
| ハザードマップ | 各市公式サイトで閲覧 | 災害リスクを知らずに購入 |
| 接道 | 前面道路の幅員・方角・種別 | セットバックで敷地減・工事費増 |
| インフラ | 上下水道・ガスの引込状況 | 引込工事で数十万円の追加 |
| 周辺環境 | 平日/休日、朝/夜に現地を歩く | 住み始めてから後悔する |
平屋を建てるなら、土地は何坪必要?
最近とくにご相談が増えているのが平屋です。「平屋は土地が広くないと無理でしょう?」とよく聞かれますが、実はそこまで身構える必要はありません。
東匠ハウジングが扱うLINERA(リネラ)は延床20坪を基本とした平屋です。建ぺい率50%のエリアなら、単純計算で建物面積の2倍の敷地が必要になります。20坪の平屋なら敷地40坪が最低ライン。ここに駐車スペース2台分(約10坪)と、隣地との距離や庭を加味すると、50〜60坪あればかなりゆとりのある平屋の暮らしが実現します。
このくらいの敷地は、取手市やつくばみらい市であれば十分に現実的な価格帯で見つかります。「平屋は贅沢」というイメージがありますが、エリアを賢く選べば、決して手の届かない選択肢ではありません。
なお、建ぺい率・容積率は土地ごとに違います。「40坪あるから平屋が建つ」と思って買ったのに、建ぺい率40%の地域で16坪の家しか建たなかった——こういう行き違いを防ぐためにも、土地を決める前に、建てたい家が本当に建つかを建築側に確認することを強くおすすめします。
→関連記事:Week 6|LINERA(リネラ)とは?50代からの「ちょうどいい平屋」暮らし
土地と建物、別々に決めると損をする理由
ここが今回いちばんお伝えしたいことです。
多くの方は「まず不動産屋さんで土地を決めて、それから工務店を探す」という順番で考えます。気持ちは分かるのですが、この進め方には落とし穴があります。
不動産のプロは土地のプロであって、建築のプロではありません。だから「この土地に、あなたの建てたい家が、予算内で建つか」までは判断できないことが多いのです。結果として、こんなことが起きます。
- 土地に予算を使いすぎて、建物の性能を削ることになった
- 建ぺい率や高さ制限で、思っていた間取りが入らなかった
- 地盤改良費が想定外に膨らみ、総予算が合わなくなった
東匠ハウジングでは、土地探しの段階から一緒に動きます。気になる土地が見つかったら、そこに希望のプランが入るか、地盤や造成にどれくらい費用がかかりそうか、総額はいくらになるか——買う前に、建築側の目で確認します。不動産会社との連携もありますので、土地探しから建築、資金計画まで窓口をひとつにまとめられます。
先日も、ご自身で見つけてこられた土地を一緒に見に行ったところ、隣地との高低差が大きく、擁壁と造成でかなりの費用が必要になることが分かりました。結果その土地は見送り、後日ご紹介した別の物件で建てられたのですが、「あのとき止めてもらえて本当によかった」と言っていただけました。土地は「買う前」にしか止められません。だからこそ、早い段階で建築のプロを巻き込んでほしいのです。
弊社代表がよく言うのは、「土地は建物の一部だと思ってください」ということ。土地と建物は別々の買い物ではなく、ひとつの住まいをつくる両輪です。
FAQ|土地探しのよくある質問
Q:土地と建物、どちらを先に決めるべきですか?
A:同時進行がおすすめです。まず建てたい家のイメージと総予算を決め、そこから逆算して土地に使える金額を出す。この順番で進めると、土地に予算を使いすぎる失敗を防げます。東匠ハウジングでは、土地が決まっていない段階からのご相談も歓迎しています。むしろその段階でご相談いただくほうが、お力になれることが多いです。
Q:ハザードマップで浸水想定区域に入っている土地は避けるべきですか?
A:一律に避ける必要はありません。県南エリアは河川が多く、想定区域はかなり広範囲に及びます。大切なのは、想定される浸水の深さと頻度を確認したうえで、対策を取れるかどうかです。基礎を高くする、電気設備の配置を工夫するといった設計上の対応も可能です。逆に、確認せずに購入してしまうのがいちばん危険です。各市の公式サイトから無料で閲覧できますので、必ず一次情報をご確認ください。
Q:親から譲り受けた古い土地に建てたいのですが、大丈夫でしょうか?
A:多くの場合、建てられます。ただし確認したい点がいくつかあります。①現行の接道義務を満たしているか(幅4m以上の道路に2m以上接しているか)、②古家の解体費用、③境界が確定しているか、④地盤の状態。とくに境界のあいまいさは、ご近所トラブルの原因になりやすいポイントです。取手市・守谷市周辺の古い区画ではこうしたケースをよく扱っていますので、お気軽にご相談ください。
まとめ|土地は「買う前」がすべて
長くなりましたので、要点を振り返ります。
- 取手市・守谷市・つくばみらい市は、都心アクセスと土地価格のバランスが取れたエリア。1市に絞らず、隣接市まで視野を広げると選択肢が増える
- 守谷市は県内トップの地価上昇エリア。取手市・つくばみらい市には価格の落ち着いた土地がまだある
- 土地は「地盤・日当たり・用途地域・ハザードマップ・接道・インフラ・周辺環境」の7点をチェック
- 平屋は敷地50〜60坪あればゆとりある暮らしが実現できる
- 土地と建物は別々に決めない。買う前に建築のプロの目を通す
土地探しは、家づくりでいちばん最初の、そしていちばん取り返しのつかない意思決定です。建物は打ち合わせの中で調整できますが、土地は買ってしまえば変えられません。
東匠ハウジングは取手市を拠点に、守谷市・つくばみらい市を中心としたエリアで家づくりをしてきた地元の工務店です。この地域の土地の特徴も、地盤の傾向も、実際に建ててきた経験から把握しています。
「まだ土地も決まっていないし、予算も固まっていないのですが……」——そういう段階のご相談こそ大歓迎です。むしろ、その段階でお会いできるほうが、ご提案できることがずっと多くなります。しつこい営業はいたしませんので、情報収集のつもりでお気軽にご相談ください。